目標はありません!という人にオススメしたい森博嗣の「自由をつくる自在に生きる」


昔、何冊か森博嗣さんの本を読んだことがあったのですが、最近読んでいないなと思い、目に止まったのが『自由をつくる自在に生きる』。

考え方として非常に参考になる部分が多かったので、紹介します。

『自由』とは

まず最初に森博嗣さんの『自由』の定義から。

自由というのは、「自分の思いどおりになること」である。

「子供は自由だ」と言ったりしますが、子供は様々な制約があって、決して自分の思いどおりにやれることはないので、ここで言う「自由」にはならないということです。

朝起きられていますか?

朝起きられない、という問題を抱えている人がけっこういる。学校や仕事に行かなければならないことはわかっているのに、そのとき(朝)になると、どうしても躰の支配に負けてしまうらしい。これも不自由な人生である。
(中略)
自分の躰による支配が原因なのだから、その状態にならないような生活にするとか、打つ手はいろいろあるだろう。それらを試したのだろうか?ただ「意志が弱い」という言葉だけで片づけているように思えるのだが、いかがだろう?

朝起きられない人は、躰の支配に負けない対策を考えて、取り組む必要がありますね。

達成感はありますか?

そもそも、「終わった!」「達成した!」という感覚こそが、人から与えられたノルマだから感じるものだといえる。
自分の発想でやり始め、自分が自分に課した目標であれば、たとえ見かけ上それを達成したとしても、新たな目標が必ず出てくるし、途中できっと不満な部分に出会い、あそこを直したい、もう一度ちゃんとやり直したい、という気持ちになるはずだ。自分の自由でやると、絶対にそうなる。経験がある人にはわかるだろう。
コンテストや競技、あるいは競争というイベントのときだけに「やった!」という達成感がある。とりもなおさず、それは自由を獲得したというよりは、不自由から解放されただけのことで、単に自由の出発点に立ったにすぎない。

達成感を味わって満足するのではなく、自分で目標を定め、自由に向かって進んでいきたいですね。

目指すべきものを自分で決めていますか?

目指すものは、自分で決めなければ意味が無い。
本当の自由がそこから始まる。
目指すものへ向けて、少しずつ近づいていく自分、それを体験する楽しさ、そして、おそらくは辿り着けないかもしれないそのゴールを想うときの仄かな虚しさ、でも、とにかく、その前向きさが、自由の本来の価値だと僕は思う。

まずは自分で目指すべきものを想うことが大切ですね。
壮大な野望でもいいですし、すぐに実現できそうな目標でもいいと思います。
とにかく、自分で決めることが大切です。

本の読み方

成功者、賢人の書を読むことは、もちろん有用だけれども、そこにある言葉や、具体例に目を奪われていてはいけない。具体的なもの、つまり目に見える「象」を排除して、内に隠れているコンテンツを掴み取ること、これ意外に万能なノウハウはない。

表面的な部分だけ真似しても駄目で、本質的な部分を理解することが大切です。

想定内しか起こらない

その人が見た夢よりも素晴らしい現実は絶対に訪れないのである。すべては本人の想定内、といってまちがいない。これはつまり、実現したかったら、少なくとも、そうなることを夢見る、成功する状態を予測することが必要である。自由になりたかったら、自由を夢見ることから始めなくてはいけない。知らないうちに自由になるなんてことはありえないのだ。

まずは実現したいことを想わなければ、そこに到達することはできないということです。

乗り越えられない壁なんて無い

嫌いなもの、できないものを自分で決めつけて、思い込んで、そのシールドの中から外へ出ていかない、という状態は、個人の生き方でも、また組織のあり方でも、非常に多く観察される平凡なものである。
(中略)
シールドはなんの制約でもなかった。自分や組織内に抵抗があっただけで、誰も外部から妨害していたわけではなかったのだ。
結局、自由を束縛していたのは、「乗り越えられないと信じていた困難」「あると思い込んでいた限界」だった、という例が実に多い。

思い込みは結構あるもの。実際に一歩踏み出してみると、案外出来たりするもの。
まずはやってみることが大切ですね。

逆にその思い込みを逆手にとって、困難なことを楽しいことだと無理やりでも認識させることで、案外うまくいったりもするとも書かれていました。

脳を支配して自分自身をコントールしてしまおうということですね。

一歩ずつ着実に

自分が怠ければ進まない。休んでいる間に好転することもない。今日やらなければ、明日はもっと辛くなる。今遊んでいると、将来必ず不自由になる。

大好きなサッカー選手ロベルト・バッジョの『今を戦えない者に、次とか来年とかを言う資格はない』という言葉を思い出します。

どんな夢でも叶う

「本当に願っていれば、どんな夢でも叶う」と口にする。
(中略)
もっとも、ただ願うだけでは駄目だ。「欲しいな」と口にすることが「本当に願う」の意味ではない。本当に欲しいならば、どうすればそれが手に入るのか、を自然に考えるだろう。
(中略)
こういったことを毎日考えていれば、必ず前進があり、いずれは夢が叶う。自分でも多少無理かな、と心配していたものでも、予想外のチャンスが訪れる。そのチャンスを逃さないためには、常に目標を追い求めていなければならない。

目標を想い、毎日考えて、そして実行していくことが大切ですね。

ノルマは自分で与える

目的が見えていて、自分自身で計画をしたノルマは、一歩一歩の前進の手応えが嬉しい。

与えられたノルマは楽しくありません。自分で考えたノルマなら日々楽しくなります。

自分自身を騙す

「下限を上限にする」というテクニックを、僕はよく自分に対して使う。これは、自分で立てたスケジュールでも良い、なにかの目標数値を、最低限実現しなければならない「下限」ではなく、ここまでしかやってはいけない「上限」だと思い込むのだ。

このテクニックはどこかのブログで読んだことがあって、今も実践しているものですが、森博嗣がやっていたことだったんですね。
このテクニック、結構おすすめです。

一日の終わり方

毎日が終わって、ベッドで少し読書をしてから、僕はライトを消す。そのとき、明日も楽しいことが待っているぞ、と思えること、それが幸せだと想う。ときどきは嫌なこともあるし、どうしても回避できない障害だってある。けれど、その向こうに楽しみが待っているから生きていけるのだ。

こんな感じで毎日が終われたら、すごく楽しいですね。
そうでない状態だとしても、そのように思ってみるだけでも、まずは良いのかもしれません。

まとめ

特に目標もなく、自分が出来ることも限られていると思っている人に非常におすすめの本です。

ぜひ読んでみてください。